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2013年02月21日

合掌、廣瀬正先生・租税正義の実現!

昨夜は、私の大学の恩師である廣瀬正先生のお通夜に
行ってきました。

本当に大往生と言ってもいい、私たちも見習いたい
最後でした。

享年98歳、老衰、天寿を全うされたのです。

廣瀬正先生が亡くなったのを知ったのも、まったくの
偶然でした。

私のホームページの検索キーワードで、

「広瀬正 税法 専修大」というのがあり、たまたま
調べたら、先生が亡くなったのを知ったのです。

嘘のような本当の話です。

先生に導かれたのかもしれません。

昨夜のお通夜に伺いご挨拶したら、遺族の方が驚いて
いました。

誰にも知らせていないのに、どうして分かったのかと。

本当にこんなことがあるのですね。

2008年2月22日(これも偶然か)にこのブログ
に書いた記事、

租税正義の実現」をご覧ください。


ここから

「租税正義の実現」とは、私の恩師で大学の税法のゼミの指導教授だった廣瀬正先生の大学における最終講義のテーマでした。

廣瀬先生は、国税庁協議官(今の国税審判官)、東京地方裁判所書記官、税務署長を歴任され、大学教授になった方ですので、税の現場で様々な経験をされています。

その先生が、大学の最終講義に、このテーマを選ばれたのです。

私は、すでに卒業して社会人になっていたのですが、他のOBをさそって聴講に行きました。

その時は、「租税正義の実現」と言われても、理解できずわかりませんでしたが、廣瀬先生は社会正義と租税正義の話を一生懸命されていました。

そして、そのことは私の記憶から消えていたのですが、ある裁判をきっかけとして、廣瀬先生の「租税正義の実現」ということばが私の記憶によみがえったのです。

その裁判とは、武富士元専務の住所が国内か海外かで判断が分かれている1330億円の贈与税追徴課税の是非を問う裁判です。

裁判の検討は後日行いますが、この裁判は刑事裁判ではありません。

平成17年(行ウ)第396号贈与税決定処分取消等請求事件という税務署が行った贈与税決定処分の取り消しを求める裁判です。

犯罪とは「刑法その他の刑罰法規に規定する犯罪構成要件に該当する有責かつ違法な行為(大辞泉)」ですから、社会正義に反することは刑法などに規定があり処罰されます。

脱税も、不法に税の負担を逃れることですから犯罪ですが、この裁判は脱税の裁判ではありません。

私の解釈ですが、廣瀬先生が言いたかったことは、犯罪ではないが許すことのできない「租税回避」についてだと理解できるようになりました。

租税回避とは「形式的には合法的な行為であるが、経済的合理性を欠く行為を行い、その結果として税の負担を不当に回避又は軽減することです。」が通常では行わない行為を行い結果として、税を減らしたり納めないのですから好ましいことではありません。
(税理士森大志の税の考え方「脱税、租税回避と節税」参照)

この裁判では、一審の東京地方裁判所では元専務側の言い分が認められたのですが、二審の東京高等裁判所では国側の主張が認められ、1330億円の贈与税追徴課税が是と判断されました。

元専務の行った行為を「租税回避」と認定したのです。(上告したので、まだ結論は出ていませんのでご注意ください。また、税法の規定の範囲内で経済的合理性のある行為を行い結果として、税を軽減する節税を否定するものでもありません。)
この裁判は、最高裁判所で元専務側の主張が認められました。
言うまでもなく、税とは財産権の侵害ですから「課税の公平」「負担の公平」について守られなければ真面目に税金を納める人はいなくなります。

それは、国家の危機につながります。

ですから、廣瀬先生は「租税正義の実現」ということばにこだわっていたのだと、今になって気がついたのです。(本当に遅い!)

脱税という犯罪行為ではないが、許すことのできない「租税回避」を実質課税の原則などを適用して課税する。(当然になんでも適用できるものではありません。)
(税理士森大志の税の考え方「実質課税の原則とは」参照)

それが廣瀬先生のおっしゃっていた「租税正義の実現」だと、20年以上たってやっと理解できたのです。

廣瀬先生の教えが、税理士として仕事をするのにどんなに役に立っているかを考えますと、感謝に堪えません。

お礼のことばにかえて、皆様に恩師廣瀬正先生のお言葉をご紹介させていただきました。

本当にありがとうございました。

(確定申告の期間なのでご紹介させていただきました。また、古いことなので、私の記憶違いがあるかも知れません。その場合はどうかお許しください。)

ここまで


残念ながら、今日の葬儀には参列できませんが、
廣瀬正先生のご冥福を心からお祈りいたします。

合掌、廣瀬正先生。


posted by 森 大志 at 06:41 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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