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2010年03月09日

1年前の記事から・「今治大丸の閉店から地方を考える」そして「横浜松坂屋の閉店から小売戦争を考える」

昨年の3月7日に、過去記事のアンコールとして『「今治大丸の閉店から地方を考える」そして「横浜松坂屋の閉店から小売戦争を考える」』という記事を書きました。

今週の週刊東洋経済は「百貨店スーパー大閉鎖時代!」、週刊エコノミストは「百貨店沈没」です。

私の子供の頃はあこがれでもあった『百貨店』、最近では有楽町西武の閉店と言うショッキングな発表もありました。

百貨店が今後どのように変貌していくのか。

高度成長が終わり少子高齢化が進む日本の、今後のあるべき姿を模索しているような気がします。

今回百貨店が話題になっていますので、再アンコールいたします。

それでは、どうぞご覧ください。

私の事務所は東京の豊島区池袋にあります。

三越池袋店のあるところですが、今週の初めから、その三越池袋店が閉店セールを行いにぎわっています。

この不況の中、百貨店は苦戦をしていますが、同じ百貨店の閉店でもその内容は大きく違います。

このブログでも百貨店の閉店について記事を書いていますが、百貨店という業態が存続できるかどうかの岐路に立っているのかもしれません。

また、百貨店の閉店ということから地方経済の苦境、疲弊を読み取ることができます。

一つの事柄から、その裏に隠された事情を読み解くことも大切だと思います。

『今治大丸の閉店から地方を考える』『横浜松坂屋の閉店から小売戦争を考える』の2つの記事を同時にご覧ください。

では、どうぞ!

『今治大丸の閉店から地方を考える』(2008年9月9日のアンコール)

大丸と松坂屋が統合して、J.フロントリテイリングが設立されて一周年を迎えます。

この統合は規模の利益を追求することと、リストラをして、これからの競争に勝ち抜くことを目指していると思っています。

規模の利益とは大量仕入れによる原価低減、リストラとは赤字店舗の閉鎖等による赤字の削減(利益増)のことです。

週刊ダイヤモンド2008年9月6日特大号に、そのJ.フロントリテイリングが10月に横浜松坂屋、12月に今治大丸を閉店することが記事になっています。

この中で今回は、今治大丸の閉店について考えたいと思います。

記事によりますと、『今治大丸は、一九九九年に瀬戸内海の離島を結ぶ「しまなみ海道」開通後、島からのフェリー本数が減少し、今治市内や島の消費者が本州へ流出するようになった。最近は郊外のショッピングセンターにも客を奪われ、二00八年二月期の売上高は六0億円とピーク時の四割減になっていた。当期損益で二期連続の赤字に陥り、この先も収益改善の見通しが立たなかったという。』

しまなみ海道は広島県尾道市と愛媛県今治市を結ぶ道路です。

道路が計画されたときには、本州側からも今治に人が流れてくると思ったようですが、実際は違いました。

これと同様なことは、例えば「東京湾アクアライン(神奈川県川崎市と千葉県木更津市を結ぶ)」における木更津市でもありました。

このことは、ストロー効果と呼ばれていますが、普通に考えれば分かります。

誰でも魅力的なお店や仕事があれば、そちらに行くのは当然です。
特にフットワークのよい若い人達は顕著です。

私がここで言いたいことは、橋や道路を造ることがだめだと言うことではありません。
地方経済の発展のためには、ただ造るだけではうまくいかないことを言いたいのです。

地方経済の発展のために工業団地を造り、そのライフラインとして道路、工業用水(ダムの建設)の確保などをしましたが売れ残っている工業団地はたくさんあります。

日本はますます少子高齢化社会に向かっていますが、国内需要が増えないのであれば、外需(輸出)に頼るしかありません。

そうすると、市場が大きいアメリカ以外でも、これから経済発展が見込めるアジア(中国)、ロシア等をターゲットに考えるのは当然です。

トヨタの動きを見ますと、愛知県はもとより、九州(アジア)、東北(アメリカ、ロシア)、北海道(ロシア)など輸送費、人件費等を考えて立地しています。

このことから考えても、どんな業種の工場が進出するか、考えて工業団地を造らないとうまくいかないのです。

また、日本は山間地が多いのですから、その土地にあった用途を考えることが大切です。

最近やっと動き出しましたが、観光立国(世界遺産、富士山、温泉等)もその一つですし、農業改革(農地の大規模化、休耕田の解消等)もその一つです。

日本の元気には、中小企業、地方の活性化が必要だと思っています。

地方の活性化には、道州制を導入してきめの細かい政策を実行することが必要だと考えています。

みんなで知恵をしぼり考えましょう。

『横浜松坂屋の閉店から小売戦争を考える』(2008年9月10日のアンコール)

大丸と松坂屋が統合して、J.フロントリテイリングが設立されて一周年を迎えます。

この統合は規模の利益を追求することと、リストラをして、これからの競争に勝ち抜くことを目指していると思っています。

規模の利益とは大量仕入れによる原価低減、リストラとは赤字店舗の閉鎖等による赤字の削減(利益増)のことです。

週刊ダイヤモンド2008年9月6日特大号に、そのJ.フロントリテイリングが10月に横浜松坂屋、12月に今治大丸を閉店することが記事になっています。

この中で今回は、横浜松坂屋の閉店について考えたいと思います。

記事によりますと、『横浜松坂屋は、売上高九十四億円とピーク時の三分一まで縮小し、百貨店事業では二十五期連続の営業赤字という状態だった。閉鎖は致しかたない処置といえる。』

横浜松坂屋は横浜市関内にあるのですが、「経済活動の中心は関内地区から約3km北の横浜駅周辺地区へ移っており」(ウィキペディア)競争に負けたのです。

東京を中心とする都市部には多くの百貨店があります。

私は、都市部の百貨店についてはオーバーストアではないかと思っています。
ですから、頻繁に改装を行ったり、増築(増床)して品揃えを豊富にするなど、投資をして魅力的なお店を作らないと競争に負けるのです。

常に投資をしなければいけないのですから、大変だと思います。

また、ヤマダ電機などの家電量販店、大塚家具などの家具専門店の台頭、海外有名ブランドの直営店開設等々百貨店という業態自体が難しい時代なのかも知れません。

今までは、いかに有名ブランドを販売するかということに重点が置かれていました。
そうすると、どの百貨店に行っても同じような商品ばかりになり、差別化が難しくなりました。

いま、アジアからの観光客が多く来日し、ブランド商品を買いまくっていますが、昔の日本人も同様でした。
昔は、上から下まで同じブランドで揃えている人もいたのです。

今の日本人は洗練され、バッグはどこ、靴はどこというように自分の気にいったブランド、デザインを選ぶようになりました。

そうすると、ブランドに頼ったメーカー任せの売り場作りをしていた百貨店は、提案型の売り場を作れず、お客様の支持を失ったのです。

そんな中、伊勢丹新宿本店がメンズ館をリモデル(2003年9月)して、今までの百貨店のイメージを変え大きく売り上げを伸ばしました。

このように都市部の百貨店は、勝か負けるかというような大変激しい競争をしています。

百貨店の経営で言いますと、地方は、景気低迷と人口減少による購買力低下に苦しんでいますが、大都市は、景気低迷とオーバーストアによる過当競争に苦しんでいます。

昨日は、今治大丸の閉店について記事にしましたが、今日は、横浜松坂屋の閉店について記事にしました。

同じ百貨店の閉店ですが、地方と都市ではその内容が違うのです。

そして、閉店をするので、J.フロントリテイリングの経営内容が悪いということではなく、経営内容が比較的良いのでリストラに手をつけたと理解しています。

優良企業は常にスクラップアンドビルドを行いますし、そのスピードも速いのです。

昨日と今日は、同じような百貨店の閉店から、その背景を考えてみました。

皆様の経営に少しでも、お役に立てれば幸いです。

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posted by 森 大志 at 10:26 | Comment(2) | TrackBack(0) | アンコールアワー
この記事へのコメント
森さん、こんばんは!

百貨店、苦戦していますね。
一方でお隣韓国の百貨店は伸びているという話も耳にします。

私から見ていて百貨店はハード面の工夫もありますが、特にソフト面での工夫や努力が足りない気がします。

百貨店に行くワクワク感が感じられないのです。どこに行っても同じ気がしてなりません。

定価販売でもあり、商品の品ぞろえも大差なければ、あとはそこに出かけて行って客がどこまで楽しいと感じるかではないでしょうか。

百貨店の方には申し訳ないのですが、最近の落ち込みは当然のように思えてなりません。
Posted by Kein at 2010年03月09日 20:19
Kein様

コメントありがとうございました。

バブルの時に、百貨店はいかに海外高級ブランドを誘致するか競いました。

また、優先的地位を利用した商売をして、売れ残ったら問屋に返品していました。

そして、売り場構成はメーカーに任せていたのです。

今の百貨店は、場所貸しの不動産業になっています。

いま絶好調のユニクロは自分のリスクで製造していますから、企画が失敗すれば大きな損が出ます。

本当の意味のPBを開発できるかどうかが、百貨店が生き残れるかの分岐点だと思います。

このままではあまりに寂しい。

百貨店の復活に期待しています。

今後ともよろしくお願いいたします。
Posted by 森 大志 at 2010年03月09日 21:00
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