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2008年03月07日

新銀行東京の危機

今日の朝日新聞朝刊に新銀行東京の記事があり「融資焦げ付き86億円」という見出しでした。

東京都が1千億円を出資して設立した新銀行東京ですが、融資先1万3千社のうち約600社が事実上破綻し、計86億円が焦げ付いているそうです。

また、返済が滞った債権も約1620件、186億円にのぼるとのことです。

先日から、新銀行東京については経営再建のため400億円の追加出資が話題になっており、その是非の判断の資料としてこのような情報が出てきたと思います。

新銀行東京は、石原都知事が中小企業の貸し渋り対策のために設立した銀行ですが、構想から設立するまでの間に金融環境ががらりと変わり設立時には貸し渋りはほとんど解消していました。

ここでいう「貸し渋り」とは、本来は貸付を受けられるにもかかわらず借入できないことを言います。

三井住友銀行をはじめとするメガバンクがビジネスローンに進出し、今までは融資に消極的であった中小企業融資に進出しました。

ビジネスローンとは、無担保、無保証(保証協会の保証が必要ありません)で、5千万円まで貸し出すというような内容です。

この結果、中小企業のうち業績の良い会社は、ほとんど利用しているといってもいいくらいです。

私も顧問先の会社で比較的業績の良い会社を紹介し、積極的に勧めました。
保証協会の保証がいらない訳ですから、保証料を金利と考えますと実質金利が下がることになるからです。

このような状況下に新銀行東京は開業したのです。

そうするとお客を持っていない新規開業の銀行ですから、おのずと貸し出す相手は限られると思います。

今までの取引銀行から融資を断られた会社とか、開業間もない実績のない会社などです。

最初からリスクのある会社しか貸し出すところがなかったのです。

普通の銀行はお金を貸し出して得る金利収入が、私たちの売上と同じです。
ですから、貸出しをしなければ収益が上がらないので、無理をして貸し出したと思います。

貸出金利も10%前後と高いにも関わらず巨額な赤字決算を出しました。
リスクに応じた金利を取ろうと思えば昔のサラ金並の金利になりますが、そのような金利を払って成り立つ会社はありません。

事業開始時から無理があったのです。

私の事務所は東京の池袋にありますが、新銀行東京の支店もありました。(赤字なので撤退しました。)
表通りに面していて、きれいなビルの一階にあり、いかにも家賃の高そうな場所でした。
「銀座ルノアール」に学ぶ参照)

私たち中小企業の経営ではいかに固定費を減らすか苦労して考えるわけですが、とてもそんな感じではなく、大手銀行に対抗するような造りでした。

私は、この家賃、人件費も経営を圧迫したと思っています。

そうすると、銀行を設立するよりも既存の銀行を窓口とする貸付とか利子補給の充実を図った方が現実的だったと思います。

ただ、行政も経営と同じようにいくら良いことをしても結果責任は免れないのですが、新銀行東京によって助かった会社も多くあることを私たちは忘れてはいけません。

それくらい、この問題は深く難しいのです。

私たちの税金の使い道について考えてみました。

皆さんは、どのように思いますか。

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posted by 森 大志 at 10:37 | Comment(2) | TrackBack(2) | 新聞雑誌の記事から